福谷坂峠/福井県の廃道寸前の旧道と若狭湾の眺望

福谷坂峠、福井県道16号の旧道

福井県の福谷坂峠は、20年の歳月が堆積された姿を見せてくれた。旧道が放つ”諸行無常”の世界。人も動物も草木も生まれて、やがて消えていく。廃道寸前の路面に堆積した枯葉は、積み重ねた歳月の厚みを物語る。

時折り望む若狭湾には、白波が立ち、船が行き交い小島が浮かんでいる。海岸べりには、防風林に守られた住居が並び、その後方には区画整理された田園が広がる。人が立入らず荒れ果て、消えゆく旧道の淵からの眺望は、生に溢れているように見えた。春は近い。

福谷坂峠・調査NO.91

  • 調査
  • 峠名福谷坂峠(ふくたにざかとうげ)
  • 路線:福井県道16号(坂本高浜線)の旧道
  • 所在:福井県大飯郡高浜町笠原∧同郡おおい町福谷
  • 地図電子地形図 / 位置図
  • 座標:35.460923,135.554799
  • 標高:120m、路面:舗装路であるが剥離・落石・倒木・落葉のため、オフロードに分類した。
  • レビュアー峠ノ太郎(セロー250)
  • おすすめ度 4

廃道寸前の旧道の荒涼感と若狭湾の眺望が、何とも言えない趣を感じさせる峠になっている。

オフロード 旧道 九十九折 眺望 趣き

福谷坂峠の周辺地図

  • T点:福谷坂峠
  • A点:高浜町笠原側からの旧道入口
  • B点:大飯町福谷からの旧道入口
  • C点:設錠されたフェンスの位置

 ツーリングマップルの大飯郡おおい町福谷側からの旧道入口(C点)周囲の道路表示には間違いがあり、地形図とGoogle mapの表示が現況と一致している。

福谷坂峠 Pickup Photo

林道谷尾大滝線(福井県)
国道162号(周山街道)から福井県道16号の経路の途中、林道谷尾大滝線が(道の駅名田庄前~大滝間)に延びていたので走行することにした。残雪があり路面もぬかるんでいたが、雰囲気の良い林道だ。

林道谷尾大滝線(福井県)
セロー250でツーリングする時には、可能な限りオフロードを選ぶようにしている。そのために、倒木に進路を遮られUターンをすることも多い。この林道谷尾大滝線も例外ではなかった。

福井県道16号のループ橋
Uターンして福井県道16号を福谷坂峠に向う。途中には、石山坂峠とループ橋を通過する。このループ橋は、平成24年に完成した新設区間になる。

[関連記事]天空のループ橋と福井県道16号/ワインディングロード

高浜町笠原側からの旧道入口
A点:舞鶴若狭自動車道を潜り、福谷第一、第二トンネルを通過すると、旧道の入口に到着した。雪解け水が川のように流れている斜面を上る。大型車両通行禁止の道路標識を見ると、昔はバス路線だったというのが頷ける。

福谷坂峠
A点T点:旧道に進入すると、ガードレールや赤茶けた道路標識があり、かって主要地方道だったことを根拠付けている。アスファルトに積もった枯葉や付着した苔は、ダートより滑りやすく注意しながら福谷坂峠を目指す。

福谷坂峠(大飯町側)T点:福谷坂峠に到着し周囲の状況を観察すと、苔生した間知石積みの擁壁に囲まれた切り通した峠であった。古くから国境の峠としてその名を知られており、長い歴史を誇る峠であると言われているとおり、数メートル先には大飯町と高浜町の境を示すの標識が建っていた。

福谷坂峠(高浜町側)T点:裏側に廻り込み髙浜町側から写真を撮る。勾配をみると大飯町側が若干の上りになっている。これは、旧道開発以前の峠が、現在よりも高い位置にあったと推測される。土地を削り過ぎたのではないか。

福谷坂峠から見た若狭湾
A点T点:福谷坂峠の手前(大飯町側)には、福井県の若狭湾の眺望が得られる区間が僅かながらある。標高が120mと低いにも拘わらず、九十九折れの峠道と眺望から、かなり登ってきたような錯覚を感じさせる。

福井県道16号のループ橋
T点B点:福谷坂峠を高浜町側に越すと次に見えてくるのは、平成24年度に完成したばかりのループ橋のある福井県道16号の新設区間になる。

舞鶴若狭自動車道の大飯高浜料金所
T点B点:これは、舞鶴若狭自動車道の大飯高浜料金所辺りのようだ。

福谷坂峠の崩落現場
T点B点:さらに高浜町側を下って行くと、またもや崩落している。ここまでの間に3、4ヶ所が同じように崩れていた。旧道となった道は、整備することなく風化していく一方。

福谷坂峠の倒木
T点B点:倒木も多々ある。路面の様子を見ても、もはや林道と言った方がしっくりとくる。

福谷坂峠の土砂崩れ
T点B点:遅かれ早かれ、こうなるだろうとは思っていたが、ついに道が土砂で埋まった箇所に出くわす。旧道の出口まで僅かな距離なので、トライして越えようかと思ったが「君主に危うきに近寄らず」。知恵のある者は、むやみに危険を冒さないと言うことで、素直にUターンすることにした。

福谷坂峠のがけ崩れT点B点:上部を見ると、けっこう崩れていた。再び福井県道16号を遡り、福谷第一トンネルの横にある大飯町福谷側からの旧道入口から再度アプローチする。

福谷第一トンネル
福井県道16号を南下して、福谷第一トンネルまで戻ってきた。旧道は、このトンネルの上を走っている。

大飯町福谷からの旧道入口B点:この標識を目印に右折してT字をさらに右折すると、そこが旧道になる。

fukutanizakatouge_11
C点:なるほど・・・。このような通行止めのバリケード(フェンス)には、その土地の行政ごとの特色があります。福井県の場合には、高さも十分にある堅固なフェンスに、しっかりと南京錠で設錠しており周辺も隙間なく囲っています。これは真面目で閉鎖的な県民性の表れでしょうか。ということで、大飯町福谷側からの福谷坂峠へのアプローチは、不成功という結末になってしまいました。残念!

福谷坂峠の四方山話

  • ツーリングマップル関西のコメントには、「旧道でショートアドベンチャー」と記載されている。
  • 峠の名称に”坂”が入るものは珍しい。なぜならば、”峠”とは上りと下りの境目であり最頂部の一点であり、”坂”とは土が反り返った場所、すなわち斜面を指すため、共通する部分がまったくないからだ。例外として地名に坂が付く地名由来の峠が、○○坂の峠=○○坂峠となることがある。
  • 丹波高地の京都府と福井県の県境の若丹山地に位置する峠である。
  • 福谷第一トンネルは、1994年3月に竣工され全長184m、幅員8.5mである。
  • 福谷第二トンネルは、1994年3月に竣工され全長910m、幅員8.5mである。

福谷坂峠の位置図

編集後記

周山街道(国道162号)の電光気温計の数値が、先週と比べ2、3度高くなっていました。そんな、わずかな違いもバイクに乗る指先や背中には、近づく春の風を感じ嬉しくなります。行き交うバイクの数も増えてきました。いよいよツーリングシーズン到来ですね!

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