供水峠/鴨長明の庵と故郷の里と異郷の里

供水峠

その昔、峠は「故郷の里」と「異郷の里」の分岐点でした。そして、故郷への「望郷の念」、異郷への「畏怖の念」を込めて、峠のお地蔵さまへ手を合わせ旅の無事を祈りました。ここ、供水峠はそのような、古くからある峠の一つです。

バイク乗りにとって峠と言えば、フルバンクでコーナーを駆け抜けるワインディングロードのイメージがありますが、ここ供水峠にはそのような路面は1mmたりともありません。

今回は、愛機CB1300SBに少し休んでもらい、自前の二本の足で歩いて行きます。しかしながら、我が足の馬力もトルクも無い性能の低さにはがっかりします。早々に軽量化対策が必要なようです。

供水峠・調査NO.23

  • 調査
  • 峠名供水峠(こうすい、こうずい)
  • 路線:隣接路線なし
  • 所在:京都府京都市伏見区日野南山∧宇治市炭山
  • 地図電子地形図 / 位置図
  • 座標:34.931381,135.830766
  • 標高:320m、路面:オフロード
  • レビュアー峠ノ太郎(徒歩)
  • おすすめ度 3

供水峠へ至る道は、道路地図では表すことができません。このような古道は、峠本来の趣を十二分に感じさせてくれます。

オフロード 趣き

供水峠の周辺地図

  • T点:供水峠
  • A点:CB1300SB停車位置

供水峠 Pickup Photo

供水峠の登山道入り口
ここが宇治側からの供水峠の登山道入り口です。車が2台駐車してあったので何人か山に入っているようです。

供水峠
事前に用意しておいた地形図のコピーで確認して、右手側の山道へ進みます。

供水峠入り口近くが水溜りができて荒れているのは、オフロードバイクが走行した跡のようです。軽快に歩けたのは最初だけ、直ぐに汗が出てきた。まず、ネックウォーマーを脱いだ。次はクシタニのウインタージャケットのチャックを外し・・・。バイク装備で山歩きは、体感気温差が大きく難がありますね。

鴨長明の庵
大きな岩が表れました。方丈記で有名な鴨長明は、この大岩を土台に庵を建てて住んでいました。見上げると何か石碑のような物が見えた。レーシングブーツが斜面に全くグリップしない。誰も居ないので、四つん這いになってよじ登る。

長明方丈石碑
長明方丈石碑でした。下りはさらに怖い。

供水峠の登山道
短い距離にも拘わらず、既に両足がオーバーヒート。背中は汗でグッショリと濡れてきた。このままバイクに乗れば確実に凍えてしまいそうです。出口までがんはって足を動かします。

CB1300SB
無事帰還しました。汗が引くまでと上着を脱いで休憩していると、スタッスタッとおじさん二人が下山してきました。かなり歩き慣れていることが、雰囲気から伝わってきます。

供水峠
「この辺りには、何か動物でもいるんですか?」と看板を指して声を掛けてみると、地元の山城猟友会の方でこの看板を設置した当人とのこと。「今日はイノシシがいるか見に来たが、去年の豪雨以来めっきり姿が見えなくなった。」とのこと。その他にも山のことや猟のことについて色々とお話しを聞くことができました。

供水峠の位置図

供水峠の位置図
※ その他の地図へ

編集後記

今回、初めて峠を歩いてみて、やはりバイク乗りは隣人との距離が遠く、登山者はかなり近いと感じます。リターンライダーの方は、特に感じるところがあるのではないでしょうか。昔はピースサインを出すのに忙しかったと。

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