朝起きると太ももが痛くて、家の階段が降りられない。51歳にして強烈な筋肉痛が、やけに嬉しい。痛い!痛い!と言いながら、喜んでいる。昨日のHMS(Hondaモーターサイクリスト・スクール)鈴鹿のトレッキング入門コースは、おじさんの筋肉とハートに刺激をくれた。
HMSに参加すると、いつも感じることがある。知らないことを知った時、課題がクリアできた時、そんな瞬間が楽しくてたまらない。そして、そう感じられる自分が好きだ。危険とトライの狭間が、充実感を引き出してくれる。だからジムカーナの練習会やHMSに、時折り参加したくなる。
オリエンテーション 9:30~10:30
初参加のHMS鈴鹿のトレッキング入門コースに、ワクワクしながら受付で14,400円(ちょっと高い)を支払い指定された教室に入る。今日の参加者は、9名(募集12名)のようだ。しばらくすると、インストラクターがやってきて、9:30からのオリエンテーションが始まった。
初めに参加者の簡単な自己紹介の後、今日のカリキュラムと使用するバイクはCRF100だと説明された。どうやらオフロードバイクを日頃から乗っている人は、少なそうな様子だ。
車両の準備
オリエンテーションの後、バイクがづらりと並ぶ倉庫からコンディションの良さそうなCRF100を自分で選ぶ。選ぶチェックポイントは、クラッチ・ブレーキ・チェーンの張り・タイヤの摩耗度など。慣れた人なら、ここでタイヤの空気圧の調整なども自分で行う。
柔軟体操と車両の説明
バイクを選び終えると、次は柔軟体操。内容は他のコースと同じものだった。車両の説明では、CRF100がキック式なので、その始動方法が中心となった。「ペダルは、しっかり踏み抜きjましょう!」「やみくもにアクセルを開けないこと!」など、どの車両も整備状況が良いのか、一発始動していた。久しぶりのキックの感覚が懐かしい。
ウォーミングUP
ウォーミングUPというのは、パイロンコースの外周をゆっくりと、バイクと体が馴染むように走行すること。この間に、選んだバイクに違和感があれば、他のバイクに交換を申し出ます。
基本練習 10:30~12:30
さて、いよいよ基本練習の開始です。これまでに参加してきた中上級や初中級での基本練習は、主にブレーキングでした。トレッキング入門コースの基本とは、どのようなものでしょうか。
足を着きながらバランス走行
まず始めの基本練習は、意外にも「足の使い方」でした。その練習内容は、三角コーンの重しを等間隔に並べて、足を右・左・右・左、次に片足だけと着いていき、ゆっくりと走行するというもの。コツは、足を前方に突き出すようにすること、するとリズミカルにバランス良くクリアできる。
スタンディングポジションでのバランス
次の課題はスタンディングポジションから、ステップへの荷重を右左交互に掛けながらのバランス走行。これは簡単そうで、意外に難しい。特別な場所でなくても出来る内容なので、スタンディングスティル(止まっているor止まるぐらいの速度でのバランス)状態でも練習しておきたい。
傾斜地でのUターンと半クラッチで歩く
一旦休憩後、アップヒルの傾斜地に移動し、停車状態からの左右のUターン練習。コツは、山側に足を着きハンドルを逆に切り、クラッチとブレーキ操作で向き変えをする。次に、降車して半クラで歩くことを、右側と左側の交互で行う。
安全確実な障害物の越え方
午前中の最後の課題は、障害物(縁石)を安全に越える練習。この時の縁石の高さは、CRF100のエンジンガードが接触してリアタイヤが浮く状態。
【ポイント】 フロントアップ(ウィリー)させずに(勢いでごまかさずに)、安全確実に障害物を越える。
昼食 12:30~13:30
これで午前中のメニューが終了した。教室に帰り用意された弁当を食べ、建物の中を徘徊する。ホンダの往年の名車が展示されていた。この展示車両は、時折入れ替えているようだ。
受付の横にある小さな土産物が売っているラックを覗いてみたら。
鈴鹿サーキット公認、鈴鹿国際レーシングコース、「アスファルト おこし」ギュアアアア・・・。あえて口に入れたいとは思えないけど。確かにアスファルトのように見えなくもない。
「さあ、きっと元気になる! 鈴鹿の力」 、どんな成分が入っているのでしょうか。
トレッキングへGO! 13:30~15:30
さあ、午後からトレッキングの本番が始まりました。真夏のような暑さの中、大型クーラーに水分補給用のペットボトルなども積んでGO!。
鈴鹿サーキットを走るポルシェを横手に見ながら、ゲートを二つ越えて一列縦隊で移動して行いく。午後の一つ目の課題は、基本練習の複合技です。縁石越えからダートの上り斜面を駆け上がるという練習。トレッキングしながら何度か移動するが、徐々に上る斜面の勾配が急になっていく。
ここが最後の場所となった。インストラクターからコースと注意点の説明を聞いた後は、各自、自由走行となった。アップヒル、ダウンヒルを一通り楽しんだ後に、点在している土管を倒木に見立てて何度も越す練習をした。
休憩中にインストラクターの方に教わったのが、フロントアップが必要な障害物の高さの基準について。上の画像ぐらいの高さの土管だと、不要になる。
- 障害物とフロントタイヤの接点が車軸より低い場合 ⇒ フロントアップ ×
- 障害物とフロントタイヤの接点が車軸より高い場合 ⇒ フロントアップ ○
ソロツーリングで倒木越えが必要な場合、無理して転倒するのを避けるためには「根性」なんて物差しは危険。バイクの動画などを見ていると、みんな倒木をフロントアップして越えようとしているが、そんな必要なのかと疑問に思っていたが、これでスッキリした。
編集後記
バイクの練習会のようなものに参加して、ガッカリするのも楽しめるのも本人次第。キャリアや技量が様々な人が集まって、一定のことをするのだから不満を感じる人もいるでしょう。でも、どれだけ楽しめるかも、技量の内だと思う。