峠の分類から見える日本の道の歴史

大阪市街
※ 画像:商都大阪を貫く阪神高速道路

日本全国には、主な峠が3,088ヶ所あると言われています。

この峠道を分類するとしたら、どのように分けるのが良いのでしょうか?地域・標高・年代・・・。そんなことを考えいたら、服部英雄氏(九州大学大学院教授)は著書「峠の歴史学」※001で以下のように大別されています。

【 峠の大別 】

  1. 「流通の道」:生産地と消費地を結ぶ峠道
  2. 「軍事の道」:軍事拠点と前線・緊張地を結ぶ峠道
  3. 「信仰の道」:旅の目的地の霊場や社寺を結ぶ峠道

なるほど、目から鱗です。利用状況の視点から分類すれば、おのずと歴史的な背景に触れることになる。

流通の道(牛の道)

  • 道幅は広く、二間~三間(3.5m~5.5m)
  • 牛馬の通行が可能であること。
  • 夜間を含めた常時の通行が可能であること。

例)鯖街道:途中越

軍事の道(馬の道)

  • 目的地に最短時間で到達する必要性がある。
  • 人家の無い所を直線的に結ぶ経路もある。
  • 道幅は広く、二間~三間(3.5m~5.5m)
  • 牛馬の通行が可能であること。
  • 夜間を含めた常時の通行が可能であること。

例)鎌倉街道:安房(あぼう)峠越 いざ鎌倉へ!

信仰の道(人の足のみの道)

  • 流通の道と重なることが多い。
  • 人の通行が可能であればよい。
  • 架かる橋は、木橋でよい。
  • 難所の連続も信仰心を高める。

例)愛宕裏参道:サカサマ峠

道の変遷

峠道を含む街道は牛馬や人が利用する道から自動車や大型のトラックが行き交う道となった。流れる時間のスピードも増す一方だ。ここからは推測だが、生き残った峠道の多くは「信仰の道」ではないかと考える。なぜなら、今でも本屋には四国遍路や熊野古道関連の書籍が沢山並んでいるからだ。いや、ブームとすら言えるような状況ではないか。ただ、信仰とは少し離れた感はあるが。

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