京見峠(長坂越)は、京都市街から京都府道31号を登りつめた位置にある。峠の茶屋の対面には京見峠を示す道標・石碑・立札などがあり重要峠であったことが偲ばれる。しかし実際の峠の位置は、ここから約110m登った位置にある三叉路の「氷室分かれ」と道路標識が立つ場所になる。
峠道は南方には狭路のヘアピンカーブが連続してる区間があり、北方には長閑な里山の風景が広がる。また、西方の京都府道31号は交通量も少なく国道162号(周山街道)に接続している。
期待していたような京都市街地が一望できるような眺望は確認できなかった。京見峠の手前にある「古道長坂道」は、府道31号が開通するまでの旧峠道である。
周辺の林道を探索すると、京見峠の東方に全面ダートの良いオフロードがあり、2万5千分の1地形図を見ると途中で破線路に変化しているが加茂川まで通じているようだ。名称等は不明。
京見峠(長坂越)・Pass Hunting NO.63
- 調査:
- 峠名:京見峠(きょうみとうげ)
- 路線:京都府道31号(西陣杉坂線);丹波街道
- 所在:京都府京都市北区西賀茂鑓磨岩∧同市大宮釈迦谷
- 座標:35.073402,135.717426
- 標高:446m、路面:オンロード
- レビュアー:峠ノ太郎(セロー250)
- おすすめ度: 3
京見峠(長坂越)には、峠の茶屋・道標・石碑・立札などがあり重要峠であったことが偲ばれる。周辺の林道を探索すると、京見峠の東方に全面ダートの良いオフロードがある。
京見峠(長坂越)の地図
- A点:京都府道31号(西陣杉坂線)
- B点:長坂道の分岐点
- C点:京見峠茶家・石碑・立札など
- D点:氷室分かれ
- E点:京都一周トレイル標識
- F点:釈迦谷山方向への分岐
- G点:終点
京見峠(長坂越) Pickup Photo
B点:京見峠の手前、京都府31号を左折すると長坂道。
B点:長坂道は、京都府道31号の旧道でかっての峠道。
C点:峠の茶屋があるためか、ここに京見峠と路標があります。写真で見てもまだ勾配が付いているので違うだろうと気付きます。
C点:京見峠茶家。この峠は、桐原書店刊「日本百名峠」(井出孫六 著)にも収録されています。素敵な電燈です。
C点:「うつせみの 寂しさ故に おく山の こぶしは白く 鎮もりて咲く」京都の詩人・島岡剣石の歌が刻まれている。
C点:立札には、足利尊氏や後醍醐天皇の時代から云々と書かれている。
D点:より約110mで本来の峠の位置に着く。「氷室分かれ」の道路標識が目印。右へ行くと[E]の林道へのV字分岐点へ、左が国道162号方向。
E点:氷室分かれを過ぎ、左手にV字に曲がると林道へ入る。
E点:上の写真のV字の分岐点には、京都一周トレイル標識が立っている。地図に書かれた船山・釈迦谷山方面へ入ると[E]の林道へ入る。
F点:走りやすいダートです。
F点:一つ目の分岐はバイクの後方、釈迦谷山方向へ進んだ。
少しづつ道幅が狭くなってきました。
そろそろ、撤退の決断が必要か。
G点:ついに道が消失し、崖下を覗くとにゴルフ場が見えます。
林道の来た道を戻り、京都府道31号を国道162号方向へ向かうと、途中に若狭街道の道標があった。
古道若狭街道の道標。
京見峠(長坂越)の四方山話
- 太平記にも登場する。
- 若狭街道・小浜街道・高浜街道・舞鶴街道の主要街道の集積地となっていた。
- 今は一軒しかない茶屋も50年前までは数軒並んでいた。
- 現在のところ、京都市街の眺望は望めないようです。それは夜景観賞のマナーの悪さや不法投棄の多さが原因で、眺望を遮るために植林をしたため。
- 京の七口:中世の京の都では、各街道の入口を「京の七口」と呼んだ。鞍馬口(鞍馬街道)・小原口(北陸道)・今道之下口(東山道)・鳥羽口(西海道)・東寺口(山陽道)・西七条口(山陰道)・長坂口(丹波道)
- 室町時代には関所が置かれていた。
京見峠の位置図
- 【京見峠へのツーリングルート】
≫ 京都市近郊のオフロード林道と馬の背を走るツーリング - 【都道府県別・峠の一覧表】
≫ 京都府の峠、一覧表