旧花脊峠(旧花背峠)は、峠の点景として理想的な容姿を持つ。酷道で名を馳せる477号上にある新花脊峠の美しいヘアピンカーブを堪能した後に、この旧花脊峠を訪れればタイムスリップしたように時間旅行を楽しむことができるだろう。お地蔵さまの寄り添う杉の古木は周囲に異彩を放っている。新旧とも素晴らしい峠は、めったにない。
国道477号のバス停から旧花脊峠へのルートは、550mほどしかなく歩いても8分の距離。オンロードバイクでも慎重に走れば到達することはできる。しかし、旧花脊峠の西方の京見坂は、ガレて険しく急勾配になっている。
※ 花脊峠の脊を「背」と書く。
旧花脊峠・Pass Hunting NO.58
- 調査:
- 峠名:旧花脊峠(はなせとうげ)
- 路線:旧鞍馬街道
- 所在:京都府京都市左京区鞍馬本町∧左京区花脊別所町
- 座標:35.154708,135.776861
- 標高:750m、路面:オフロード
- レビュアー:峠ノ太郎(セロー250)
- おすすめ度: 5
旧花脊峠(旧花背峠)は、かっての鞍馬街道であり国道477号の旧道である。峠には地蔵堂があり、背後に杉の古木が寄り添っている趣きのある点景を見せる。
旧花脊峠の周辺地図
旧花脊峠 Pickup Photo
T点:この峠の美しさの秘密は、地蔵堂と背後に寄り添う杉の古木の配置にあるのではないか。三叉路の中央に位置する他の杉とは明かに異なる古木の姿から、ゆるぎない安定感と威圧感を同時に感じる。
T点:よく日が差し込み明るい。
T点:地蔵堂の中のお地蔵さまの顔は見えない。お地蔵さまの家である地蔵堂には、他に祠や覆堂などの呼び方がある。床の有る無しなどで違いがあるようだ。
T点:まだ真新しい旧花脊峠の立札。
T点:「古道岐」・「峠下」はバス停、「芹生」は芹生峠の各方向を指している。
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T点:花脊峠はCB1300SBで何度も走った、ヘアピンカーブが連続するお気に入りの峠だが、旧花脊峠にはセローを購入して今回初めて訪ねた。
旧花脊峠の四方山話
現在の花脊峠の国道477号は明治40年頃に開発され、昭和10年頃に自動車道になる。旧花脊峠は、それまで重要な峠道として一般的に利用されてきた。
旧花脊峠の位置図
- 【旧花脊峠へのツーリングルート】
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編集後記
峠に対するイメージは、人によって様々だろう。筆者もそうだったように多くの人は、グネグネと蛇行した急勾配の道を思い浮かべる。この風景を線景と呼ぶことにしよう。本来の峠は、登りと下りの頂点なので一点に集中されるので、この風景は点景と呼ぶことにした。