京都府の八丁峠(林道峠)をピークとする林道八丁線は、丹波広域基幹林道を跨ぐ代表的な林道として多々取り上げられている。何故この林道八丁線が代表格となっているのか。今回、実走した体験から、その理由を探ってみた。
「第一の理由、長さ!」
国道162号(周山街道)から八丁峠を経て八丁川に沿う林道大川上線に合流して京都府道370号に至るまでの距離だと推測できる。林道の総延長12.5kmは、京都府内では長い部類になる。
「第二の理由、高さ!」
この地は丹波高地とも呼ばれ、周囲の山の標高は1000m以内の低山が連なっている。その中で八丁峠の標高は、690mに位置し高所となっている。ピークが高ければ、そこに至る道は蛇行し多彩な風景を見せる。
「第三の理由、変化!」
八丁峠を境に周囲の風景は一変する。一方は山裾を巻く巻き道、日の光が差し込む開放的な印象。もう一方は清流が造った谷底を進む谷道、日の光は弱く苔の緑に包まれた凛とした静寂さが漂う。
このように八丁林道は峠を境目にして、陰陽合わせ持つ変化のある林道と言える。バイクは風を切り走る。だから、陽の道から陰の道への分岐点を肌で感じることが出来る。その時、回りの風景も必ず切り替わっているはずだ。
八丁峠(林道峠)・Pass Hunting NO.57
- 調査:
- 峠名:八丁峠・林道峠(はっちょうとうげ・りんどうとうげ)
- 路線:林道八丁線・林道大上川線・丹波広域基幹林道
- 所在:京都府京都市右京区京北上弓削町
- 座標:35.247743,135.670321
- 標高:690m、路面:オフロード
- レビュアー:峠ノ太郎(セロー250)
- おすすめ度: 5
八丁峠(林道峠)は、林道八丁線・林道大上川線・丹波広域基幹林道の3つの林道が絡む関西の代表的な林道峠です。
八丁峠(林道峠)の周辺地図
- T点:八丁峠(林道峠)
- A点:国道162号(周山街道)カモノセキャビン前
- B点:林道大川上線との接続点
- C点:京都府道370号との接続点
八丁峠(林道峠) Pickup Photo
A点:ここが周山街道からの林道八丁線の入口です。カモノセキャビン前と言った方が分かりやすいかもしれない。ここから八丁峠までの距離は、約5.5kmです。
A点~T点:ダートは峠の周辺だけで、ほぼ全線舗装されている。良く整備された林道なのでで安心してバイクで走れる。
A点~T点:八丁林道に眺望が得られる場所は少ない。
T点:殺風景だが、「たわんだ」ここが八丁峠。峠の語源説の一つに地形起源説というものがあり、峠とは「撓む(たわむ)」山の尾根がたわむように凹んだ所を選んで道が越えているので「撓む」からきたとする説。
T点:丹波広域基幹林道の地図が看板に書かれていた。
T点:丹波広域基幹林道は、両側とも厳重にバリケードが設置されていた。
丹波広域基幹林道は、山の施業をするための道であるため、各路線の入り口等に門扉を設置し、林業関係者以外の方の通行を制限しています。
[注意事項]
許可を受けていない車輌は通行できません。特に、改造等された自動車(ラリー使用等)及び自動二輪車の侵入については、固くお断りしています。
T点:八丁峠から林道大川上線を走る。
T点:こちらの八丁峠から林道大川上線へ下るルートに進む。
T点~B点:八丁川に沿う苔生した谷道は美しく、特に夏には清涼感が感じれれて最高に気持ちいい。
T点~B点:苔の緑からも、ひんやりとした空気が伝わる。
B点:林道大川上線の起点
八丁峠(林道峠)の四方山話
- 丹波高地にあるこの峠の名称は、地図上では林道峠と記載しているものもあるが、現在は通称名の八丁峠と呼ばれることの方が一般的になっている。
- 丹南市議会では、フェンスを破って「モトクロスのバイクが走っている。」と問題視している。
- ゲートを破壊した器物損壊事件を捜査中に丹波広域基幹林道でライダー公務執行妨害で一名逮捕5台でゲートを越えて走行中、職務質問で・・・。京都新聞(平成10年10月1日)
八丁峠(林道峠)の位置図
- 【八丁峠(林道峠)へのツーリングルート】
≫ 京都北部の旧道と林道を巡るツーリングルート関西版 - 【都道府県別・峠の一覧表】
≫ 京都府の峠、一覧表
編集後記
次の旧花脊峠には、林道大川上線から京都府道370号を経て38号の佐々里峠を越えて向う。これまでに57峠を記録してきたが、筆者がCB1300SBで最も走って楽しいと感じているのが、この佐々里峠を越える京都府道38号です。