高見峠/旧道が魅せる関西のマッターホルンの風景

高見峠

うれしいニュースが入ってきた。それは長い間、通行止めだった高見峠への旧道の三重県側ルートが開いたというものだ。前々から気になっていた峠なので、さっそく訪ねてみることにした。

なぜ気になっていたかと言うと、この高見峠には好きな要素が詰まっているからだ。その要素とは旧国道上にあること、標高700m以上の高地であること、そして街道筋の3つだ。

旧国道は廃墟観賞ように時の流れを感じることができ、標高700m以上の峠道は必ず九十九折れたウネウネ道になっている。そして街道筋の峠は、歴史的背景に事欠かないからだ。それでは、関西のマッターホルンとも呼ばれている高見山へ参りましょう。

高見峠・調査NO.105

  • 調査
  • 峠名高見峠(たかみとうげ)
  • 路線:旧国道166号(伊勢街道・参宮街道・和歌山街道)
  • 所在:三重県松阪市飯高町舟戸Λ奈良県吉野郡東吉野村杉谷
  • 地図電子地形図位置図
  • 座標:34.423302,136.091603
  • 標高:899m、路面:オンロード
  • レビュアー峠ノ太郎(CB1300SB)
  • おすすめ度 4

奈良県側ルートの通行止めバリケードに掛かっていた「労災保険関係成立票」には、事業期間:自 平成26年3月14日 至 平成27年3月31日と記載されていたので来春には通行可能となるのかもしれません。

旧国道 九十九折 b5 眺望 街道

高見峠の道路交通情報

奈良県側の通行禁止情報は、東吉野村のHPの「通行規制」にあるPDF(高見山周辺の通行規制について )が参考になります。

高見峠の周辺地図

  • T点:高見峠
  • A点:奈良県側からの旧道進入口
  • B点:三重県側からの旧道進入口
  • C点:高見山山頂1248m
  • D点:天空の庭 高見の郷(しだれ桜の名所)

高見峠 Pickup Photo

国道166号の道路案内標識A点:国道166号の気持ちの良いワインディングロードを堪能していると、高見峠と表示された道路標識が現れた。旧道を示すには少し大袈裟な感じがするが、それだけ高見峠へ訪れる人多いということだろう。

高見峠の奈良県側の旧道
A点:奈良県側ルートは通行止めのはずだが、進入口にはバリケードらしいものが見当たらない。ラッキー!今日解除されたのかなと、スーパーポジティブと言われる性格を発揮して行ってみることにした。

高見峠への奈良県側旧道すると再び「伊勢・松阪」と「高見峠」と示す道路標識が現れた。高見峠方向を見ると・・・。やはり通行止めだった。

旧国道166号、通行禁止
付け入る隙がまったく無く、完全な通行止め状態。工事関係や警告等の看板が所狭しと張り付けてある。

高見峠、災害復旧工事看板を一つ一つ確認してみると、災害復旧工事も平成27年3月31日には終わることが分かった。ただ第3期がなければの話ではあるが。

村道杉谷高見山線国道166号の奈良県側の路線番号は、村道杉谷高見山線になっていた。もう十分納得したので、高見トンネルを潜って三重県側ルートから高見峠を目指す。

高見トンネル
B点:総延長2470mの高見トンネルは、1984年(昭和59年)に開通した。ループ橋は、平成5年に完成。

高見トンネルの開通記念碑や道標
B点:高見トンネルを潜ると、すぐ右手に「高見峠はこっちだ!」と嫌でも分かるように高見トンネルの開通記念碑や道標・大きな周辺道路地図などが目に入ってくる。このような観光道路的な姿は、好みのタイプではない。どちらかというと、朽ち果てて苔に覆われたような道標が、ひっそりと立っている控え目な感じが好きだ。

高見峠の地図
B点:しばらく休憩ししていると、ヤル気満々のレーシングスーツを着たSSの走り屋たちが代わる代わるやってくる。ここは走り屋のUターン場になっていた。エキゾーストノートが響く中、独り旧国道へと入って行く。落石をはねる音を響かせながら。

新道と旧道がクロスB点:国道166号の旧道は高見トンネルの手前を潜るような位置にあり、新道と旧道がクロスして見える。

高見峠T点:九十九折れの道を一気に高見峠まで上った。まず、高見山山頂にある高角神社へ通じる鳥居をくぐり高見峠の全景を眺める。やはり高見山は登山者に人気があるらしく、広々とした駐車スペースもあり多くの人がいた。

高見山山頂への道高見山山頂への登山道を進むと旧高見峠がある。その山頂には展望台があり、冬季には雪景色や樹氷が楽しめるらしい。

三重県と杉谷の案内標識
T点:三重県と杉谷の案内標識。古びた感じからすると、この案内標識は国道だった頃の遺産かもしれない。

奈良県と東吉野村の案内標識
T点:裏面には、奈良県と東吉野村の案内標識。我が愛車のCB1300SBの後ろでは、これから高見山山頂を目指す人生の先輩方の準備体操が始まった。山頂までは徒歩で50分は掛かるようなので、気を付けて行ってらっしゃい。

奈良県側は全面通行止
T点:高見峠の奈良県側には、全面通行止の看板とバリケードがしっかりしてあった。

高見峠の奈良県側の旧道徒歩で奈良県側の様子を見に行くが、崩落場所はかなり先のようだ。

本居宣長の歌碑T点:江戸時代の国学者本居宣長の歌碑には、「白雲に峰はかくれて高見山みえぬもみちの色そゆかしき 」と刻まれている。

地滑りの跡
T点B点:帰路は、ゆっくりと風景を楽しみながら走る。この大きな地滑り跡が奈良県側ルートの通行禁止の原因なのなのかもしれない。

高見峠の林道
T点B点:山岳風景より、眼下の林道の姿が気になる。

高見峠T点B点:上の林道は、この位置から斜面を下る道があったのでオフロードバイクなら走れそうだ。

国道166号T点B点:国道166号が見えてきて高見峠も終了!

高見峠の四方山話

  • 高見山大峠とも呼ばれている。
  • ツーリングマップルにも「展望の良い旧道、日本の峠百選」と記載
  • 三重県側の峠付近は、三重県でただ一箇所 熊の生息地
  • 大和と伊勢とを結ぶ参宮街道(和歌山街道)上に位置
  • 紀州藩などの参勤路だった

高見峠の位置図

編集後記

昨日、久々にHMS鈴鹿へ参加してきました。今回は初めてのトレッキングです。倒木対策と思い何度も土管越えを練習したので、朝起きると太ももが筋肉痛で家の階段を下りるのに一苦労。

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