馴染み深い栗尾峠が京北トンネル（栗尾バイパス）の完成で車両通行止めになる。一筋の道が人のために生まれ、人のために消える。しかし、また復活する日が来るようでならない。輪廻転生するように。

人間の際限の無い利便性への追及と技術の進歩は、道の姿を変化し続けた。中世の頃、牛馬を曳いて越えた峠道は、自動車の普及と共に移設拡幅されアスファルト敷きとなった。時が過ぎ、急勾配の道は危険だと山腹にトンネルと言う長い横穴を掘った。

不要になった峠道は廃道となり、やがて地図上からも消えた。更に年月が過ぎ、トンネルの危険性が露呈され始めた。更に時が過ぎ、人々は楽しむために山を越えることに目覚める。何100、何1,000の人が草木を踏み固めながら歩いた。そこが、一筋の踏み跡ととなった。やがて一筋の跡は、中世の古地図にある峠道とピタリと符合した。そして、生まれ変わった峠が誕生した。

『一般国道162号栗尾峠（栗尾バイパス）の整備』 京都市HP：まちづくりより

一般国道162号は，別名，周山街道とも呼ばれ，京都市内の国道9号から福井県敦賀市に至る幹線道路であるとともに，右京区京北，南丹市美山町から京都市内へのアクセス道路として非常に重要な道路です。 その中で，栗尾峠は山間地に位置することから，急なカーブが多く続き，歩行者や自転車はもちろん自動車でも通行しにくく，特に冬季は積雪，路面凍結を原因とする交通事故が多発しており，改良の必要性が高い場所となっています。

しかし，地形上，現在の道路を拡幅することが難しい部分が多く含まれていることから，一部をトンネル掘削によるバイパス建設により，残りの部分を現道拡幅により道路整備を行うものです。

栗尾峠・Pass Hunting NO.48

  

栗尾峠の道路交通情報

栗尾トンネルの開通決定日が決定しました。詳しくはこちら　⇒　【悲報】周山街道の栗尾峠、トンネル開通でバイク通行不可に決定する！

栗尾峠の周辺地図

• T点：栗尾峠
• A点～B点：栗尾バイパス（京北トンネル）区間
• C点：通行止めの看板位置
• D点：裏愛宕参道

栗尾峠 Pickup Photo

峠のバス停が二つ、高雄・京北線（西日本JRバス）と京北町営バスから移管された京北ふるさとバス。

この小さなトンネルも改修されるようです。

急勾配に交差するガードレール。

栗尾バイパス（京北トンネル）完成後の画像

C点：右京警察署細野駐在所の横（東方）の通行止めの看板には、『12月21日午後2時以降、京北トンネル開通のため、栗尾峠（直進）通り抜けできません。』と書かれた看板が建っていた。［撮影：2014/03/08］

A点:開通した京北トンネルと上部に通る旧国道162号。［撮影：2014/03/08］

栗尾峠の位置図

編集後記

次の目的地のウジウジ峠、ダルマ峠、サカサマ峠の位置を地図上で指差すことの出来る人と話をしてみたい。きっと何かのマニアに違いない。断片的な情報だと駅やホテル、遊園地にスキー場などがこの周囲にあり、本能寺の謀反の前に明智光秀参った愛宕信仰の中心地など、何かがありそうな場所です。