この堀越峠を表現する言葉は、”生きた化石” ”古の旧道” ”最後の砦” 。これまでに国道162号(周山街道)には数々のトンネルが掘られ、その残骸は旧道となり、進入路は固く閉ざされてきた。記憶に新しいところでは、昨年12月に栗尾峠が京北トンネルの開通と同時に、車両通行禁止区間となった。
役目を終えた古道は、新道に後進をゆずる。ところが堀越峠への旧道は、生きているのだ。しかもラリーコースとしても使われるなど”活き活きと”である。また、その姿は国道であったことが信じられないような急勾配の全面ダートという、国道の”生きている化石”として。
堀越峠・調査NO.104
堀越峠の道路交通情報
平 成26年3月8日に国道163号を走行した状況では、堀越トンネル周辺が最も積雪量が多いが路面には問題もなく(一部シャーベット状)バイクでも福井県側 に抜けることができた。しかし旧国道162号の進入路には50cm程度の積雪があり、この日は堀越峠越えを断念した。
堀越峠の概略地図
- T点:堀越峠
- A点:京都府側の旧道進入口
- B点:NTT堀越無線中継所
- C点:福井県側の旧道進入口
- D点:堀越峠の別ルート進入口
- E点:終点
堀越峠 Pickup Photo
A点:ここが旧国道162号への京都府側からの進入路。目印になるような物は何も無く、堀越トンネルからも距離があり分かりにくい。
A点:唯一、この小さな道標が片隅にある。京都府側からのアプローチは、さほど勾配もなく広めのダート林道のような状態で走りやすい。
T点:堀越峠は「掘って」「越す」の名のとおり、切り通しの峠になっていた。通常、旧国道にはガードレールや道路標識などが赤さびた状態で残っているが、ここにはそのような遍歴を感じさせる物が一切ない。それも原始的な感じがして良いけれど、天引峠のように一つぐらい写真用に欲しかった。
T点:ダートの表層には、重機で整備した時に付いたと思われるキャタピラ跡がある。そのお蔭か、ツーリングマップルに記載されているような倒木は一ヶ所もなく、楽しくダート走行ができる。
B点分岐:堀越峠を越えるとすぐに、NTT堀越無線中継所への分岐が右手にある。この旧国道が閉鎖されずに済んでいるのは、NTTの保守点検が行われるためか。
B点:わずかながら眺望がある。
T点~C点:おそらく、ここが一番急勾配のダートヘアピン。国道だった残り香など、どこにも無い。
C点:福井県側に抜けて、国道162号と再び交わる地点。
C点:福井県側からの進入路には、大きな目印があるので分かりやすい。
C点:JAF公認国内ラリーの「若狭ラリー」のための通行止め告知看板があった。福井新聞のニュースサイトを見ると、「ラリーカー27台、迫力の疾走 福井・おおい町でタイム競う」とタイトルされていたが、タイムなどの詳細は分からなかった。
D点:福井県側からの進入口から北へ行くと、前々から気になっていた堀越峠への別ルートらしき進入口がある。地形図を見ると旧国道と接続しているようなので、探索を開始する。
D点:このルートは、同年3月15日に一度トライしたが残雪が多過ぎて諦めた経緯がある。この時は雪の堀越峠越えを、一年前からの計画していたので悔しい思いをした。
D点~E点:正規ルートと比べると、はるかに急勾配で面白い。堀越谷の川に沿って上るルートになっていた。
E点:上り詰めると、今まで右手に流れていた川が大きく左に回り込み、正面に立ちはだかった。おかしい・・・。道が消えてしまった。
E点:左手を見ると・・・。無理!トライする気持ちが微塵もわいてこない。帰宅して、再度地形図を確認するとこのルートは、旧国道162号のさらに前の峠道(旧々国道)ではないかと思えてしかたがない。
堀越峠の四方山話
- 昔は狼が出没するという、山奥深い危険な峠道だった。
- 堀越トンネルは、竣工:1974年3月、全長:1394m、幅員:6m。
- 昭和26年(1951)に堀越峠の開発工事は完成した。
- 周山街道の一番北にある峠。
- 旺文社発行の関西ツーリングマップル(2011年4版)には、「峠より北側は倒木多い 眺望なし ダート7.9km」と書かれている。
- 現在の路線名は、「南丹市市道堀越線」、「おおい町町道堀越線」。
堀越峠の位置図
- 【堀越峠へのツーリングルート】
≫ GW欲張りツーリング、桜と眺望と残雪のダートを楽しむ - 【都道府県別・峠の一覧表】
≫ 京都府の峠、一覧表
≫ 福井県の峠、一覧表
編集後記
今回のツーリングで京都北山の主な峠は、訪ね終わることができました。京の都に通じる峠らは、歴史的な背景も奥深く楽しい旅でした。次は秋の紅葉の季節に、残りの小さな峠を訪ねて行きたいと思っています。
PS.これまでに訪ねた京都北山のお気に入り峠は・・・。