はらがたわ峠/旧国道173号に漂う荒涼感

はらがたわ峠

不毛、うら寂しい、はらがたわ峠にハマる言葉、選んだのは「荒涼」。国道だった過去を示すように、赤錆びたガードレールは折り重なる。つづら折れを示す警戒標識にも、泥が付着し錆が浮いている。木々はやせ細り、生物の気配も無い。ただ荒涼感だけが漂う。

はらがたわ峠は、丹波国の米や栗を運んだ能勢街道の時代が続き。1963年(昭和38年)には、二級国道173号池田瑞穂線に指定される。しかし、1983年(昭和58年)はらがたわトンネルの開通とともに旧国道となり、その役目を終えた。

昭和38年といえば、筆者と同年代である。

はらがたわ峠・調査NO.41

  • 調査
  • 峠名はらがたわ峠
  • よみ:はらがたわとうげ
  • 路線:旧国道173号(丹州街道「丹波街道」)
  • 所在:大阪府豊能郡能勢町天王∧山辺
  • 地図地形図峠マップ位置図
  • 座標:35.023716,135.366234
  • 標高:580m
  • 路面:オンロード
  • バイク:CB1300SB
  • レビュアー峠ノ太郎
  • おすすめ度★★★★ 4

オンロード 九十九折 旧国道 趣き 街道

はらがたわ峠の周辺地図

はらがたわ峠の周辺地図

  • T点:はらがたわ峠
  • A点:国道173号(はらがたわトンネル南側)
  • B点:はらがたわ峠への分岐点
  • C点:国道173号(はらがたわトンネル北側)

はらがたわ峠 Pickup Photo

はらがたわトンネル
A点:はらがたわ峠へは、このはらがたわトンネルの南側出口を左折して旧国道173号へと向かう。昭和58年(1983年)のトンネルが開通し、1990年(平2年)国道の指定から外れ旧国道となった。

旧国道173号B点:この道路標識を右折すると、はらがたわ峠へ至る。この辺りから旧道の雰囲気が漂いだす。

はらがたわ峠のピークT点:九十九折れの峠道が楽しくて、一気にピークまで駆け上がる。峠を表すものは、何もない。地図を見ても分かるように、一方のみが九十九折れになる片峠となっていた。河川争奪でもあったのだろうか。

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はらがたわ峠T点:低い位置からカメラを構えると、CB1300SBがちょうどピーク(峠)の位置にあることが分かる。はらがたわ峠からC点方向には、ロッジのような建物が並んでいる。

監視カメラ
T点:はらがたわ峠にあった唯一の物は、真新しい警戒色の不法投棄監視カメラ。他に色の無い風景の中、どこかSF映画ぽいものを感じる。次は風景を噛み締めながら、旧国道173号を下る。

はらがたわ峠のガードレール
T点B点:はらがたわ峠を通過する旧国道の象徴、交差する赤錆びたガードレール。このような構図の写真は、九十九折れた道であると同時にガードレールのある旧国道でなければ撮れない。ファインダーを覗いた瞬間、来て良かったと感じた。

ガードレールがジグザグ・ジグザグT点B点:ガードレールがジグザグ・ジグザグ。

やすりのような路面
T点B点:やすりで表面を削ったような路面のヘアピンカーブが連続する。

はらがたわ峠の四方山話

名の由来:はらがたわ峠の名は、「はらが+たわ」と分割される。「たお」「とう」「たわ」「たわげ」とは、峠を示す。「はらが」は、ハラ(原)広い平地を表す。広い平地を持つ峠となり、北側が緩やかな片峠である地形とも一致する。

丹州街道(丹波街道):大阪府池田市から北に延びる能勢街道は、兵庫県川西市東畦野の一の鳥居で丹州街道と分かれる。一庫ダムの新道完成により旧道は水没した。さらに北進すると浮峠、はらがたわ峠、大阪最北端の天王峠を越えて兵庫県に入り、福住で篠山街道に接する。

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はらがたわ峠の位置図

はらがたわ峠の位置図
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編集後記

人類が死滅して数年経った風景が見たいなら、冬のはらがたわ峠に行くことをお勧めしたい。きっと納得してもらえると思います。この峠は魅力を感じる。

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