昔、青山峠は布引山地の中央部に位置し、初瀬街道の最大の難所であり、三重県津市と伊賀市を隔てる峠だった。今も旧初瀬街道の一部が残っており、通過することもできる。しかし、その姿にはかっての面影はなく、風車群と眺望で有名な青山高原道路の片隅に追いやられ忘れ去られてしまっている。
旧街道を探索しようと急斜面を下って行くと、まるでソフトクリームの上を走っているような、グニュグニュと気持ち悪い感触が伝わってくる。アクセルをスッと、ほんの少し開けるだけで、リアタイヤがニュルッとスライドした。
青山峠・調査NO.86
- 日付:2013/11/16(土)
- よみ:あおやまとうげ
- 路線:三重県道512号(青山高原公園線)・旧初瀬街道
- 所在:三重県伊賀市伊勢路Λ津市白山町垣内
- 地図:地形図 / 峠マップ / 位置図
- 座標:34.670649,136.267977
- 標高:512m
- 路面:オフロード
- バイク:セロー250
- おすすめ度:★★
青山峠の周辺地図
- T点:青山峠のピーク
- A点:T点間、旧初瀬街道
- B点:青山高原道路
青山峠 Pickup Photo
写真の左手[B点]を進むと、青山高原道路の風車群が見られる。また、右手のセロー250の位置が青山峠のピークになり、旧初瀬街道を下ると「A点」へと至る。
旧街道側から見た青山峠のピーク。すぐ脇には、伊賀市と表示された道路標識が建っている。青山峠の位置は、一般的に言われている国道165号の青山トンネル上ではなく、この標識上にあると思われる。また、地形図の座標点とも一致する。
旧街道の表面には、苔が生えており人の往来もなさそうな状態です。薄暗く湿った空気が充満している。このような雰囲気も嫌いではない。
上部には、青山高原道路が見える。2m位の土留めの擁壁(ようへき)の下部は、むき出しの軟弱そうな土積みになっている。
青山高原道路側の斜面から水が流入するのか、路面がぬかるんでおり、アクセルを少し開けるだけでリアがスライドする。こんな所で転倒すると、間違いなくドロドロになる。
リアタイヤは、既に水耕栽培地でも走ったような状況になっている。キャラメルタイヤでもグリップしない。
走行跡には、湧き出した水が流れ始めていた。オンロード用のクシタニのライディングブーツがズボッと泥に埋もれた。日も暮れてきたし、もう帰ることにした。
気晴らしに、青山高原道路を北上して、笠取山を越え国道163号(伊賀街道)へ抜けることにした。この辺りの林道からの景色は、スレた青山高原道路より素晴らしい。
あと少しで国道に出るという所で、土砂崩れで道が塞がれていた。越えれそうなラインを探したが、コンクリート片が尖っており、パンクしそうなので諦める。
横手に民有林道瀬戸線があったが、ここも通行止の標識がある・・・。が行ってみた。
かなり進めたが、ついに落石地になる。今度は越えてやる!とトライするが・・・。走るというよりセローを持ち上げて1m進んでは休憩するような状況に。このままだと一晩中掛かりそうなので、青山峠まで戻るしかなくなった。
青山峠の四方山話
青山高原道路は、かって有料道路でした。周辺を含めたリゾート開発計画していた企業が倒産して、現在の三重県道512号となった経緯があります。伊吹山ドライブウェイのように、外資に売らなかっただけ良かった。
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風車の動画
2011年08月12日UP
青山峠の位置図
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【青山峠へのツーリングルート】
≫ 青山高原と伊賀街道へ紅葉を求めて/ツーリングルート関西版
編集後記
青山高原道路の風車と眺望は、関西の人気のツーリングコースですが、ほとんどの人はUターンして往復する走り方だと思います。できれば、そのまま北進して国道163号(伊賀街道)へ抜ける方が、更に良い風景が見れて楽しいと思います。是非一度、お試しを!※土砂崩れの通行止めも、この春には開通するようですよ。
最終更新日:2014/01/21