七越峠がら蔵王峠へ向かう府県境に沿って和泉山脈を伸びる林道大岩線は、アスファルト舗装から激坂ダートに一変する。一気に登り切らないと、ずり落ちるほどの急斜面になっている。山肌を巻く開けた区間からは、和歌山県側の眺望が得られる。
展望台もあるので、時間があれば立寄りたい。七越峠と蔵王峠間は、距離約11.3km、標高差278m。この七越峠の標高846mは、大阪府のバイクで越えられる峠としては、最高所になるだろう。徒歩越え峠も含めると、金剛山(大阪府最高峰1,125m)の伏見峠の980mがあるが一般車両は通行不可になっている。
七越峠・調査NO.83
七越峠の周辺地図
七越峠 Pickup Photo
T点:セローを停めている左手が林道大岩線で国道480号へ出る、右手は堀越観音・蔵王峠方面、前方が槇尾山(まきおさん)方面、後方が鍋谷峠方面へと十字路になっている。
T点:船形の石に錫杖(しゃくじょう)を持つ浮彫の地蔵尊の左右には、「左さい所みち」「右まきのふみち」と刻まれている。このような道標になったお地蔵まさは、道標地蔵尊(どうひょうじぞうそん)、道しるべ地蔵尊または、道標地蔵と呼ばれている。また、錫杖は禽獣や毒蛇の害から身を守る効果があるとされている。
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T点:「この先、バイク進入禁止」と名指しされていた。
T点:確かにオフロードバイク乗りが進入していそうな感じがする。
T点:『山家集』西行法師の1首『立ちのぼる 月のあたりに 雲消えて ひかり重ぬる 七越の峯』と刻まれている。
T点:天保12年は西暦だと1841年12月、今から172年前になる。造形物が上部にあるがよく分からない。
T点:この道標どおり堀越・蔵王峠、C点へ進むと激坂ダートを堪能できる。
C点方向:山肌を巻くルートは、眺望が開けた明るい区間になっている。
C点方向:路面状態を撮る時のお気に入り構図。
C点方向:この辺りを過ぎると、勾配率がグッと上がる。ここから終点まで、写真を撮る余裕も無くなる。
林道大岩線を抜けるとT字路になる。
左手の林道方向から下ってきてT字路を左折すると、大阪府道・和歌山県道61号(堺かつらぎ線)に接続して蔵王峠に到着する。
七越峠の四方山話
蔵王峠側からのルートは、土砂崩れによる通行止表示もあり分かりにくいので、詳細地図と別にルートマップを作成しておきました。次に投稿する蔵王峠と合わせて見て頂くと分かりやすいと思います。走行の際は自己責任でお願いします。[鍋谷峠~七越峠~蔵王峠・林道ルート]
林道大岩線について
七越峠から蔵王峠への経路上には、林道名を示すものは何も無かったが朝食に立寄った道の駅「いずみ山愛の里」に設置されていた周辺案内図より「林道大岩線」と推測して記載しています。
この案内図で分かることがもう一つあります。それは鍋谷峠が道路建設(破線部分)により、消える可能性があるということです。
七越峠の位置図
- 【七越峠へのツーリングルート】
≫ オフロードバイクで行く和泉山脈縦走ツーリング - 【都道府県別・峠の一覧表】
≫ 大阪府の峠、一覧表
≫ 和歌山県の峠、一覧表
編集後記
今回の七越峠いいですね!今回で大阪府を取り巻く主な峠は制覇しましたが、荒涼感が素敵な「はらがたわ峠」に次ぐお気に入りとなりました。SB1300SBで訪ねた府内のライディングが楽しいオンロードでは、大阪府豊能郡の大阪府道732号(亀岡能勢線)上の逢坂峠~堀越峠間が一番かな。さて次は、蜜柑色と柿色の素敵なコントラストも見れる、蔵王峠へ参りましょう。