江文峠は、「京都大原三千院、恋に疲れた女が一人・・・♪」の歌でも知られる(ちょっと古い?)京都市左京区大原にあります。緩やかなカーブの先のピークには江文峠と書かれたバス停や金比羅大権現の立派な石碑、苔の付いた道標などが目に付き、ここが江文峠だと直ぐに分かります。
江文峠の姿は興味が無ければ、ただのバス通りの坂道としか見えません。閑散としたバス停で朽ちた道標の苔の付き具合に喜んでシャッターを切り、何が書いてあるのかも分からない石碑を眺め、熊出没注意の看板に感心する。そんな自分が好きだったりします。
江文峠・調査NO.2
- 調査:
- 峠名:江文峠(えぶみとうげ)
- 路線:京都府道40号(下鴨静原大原線)
- 所在:京都府京都市左京区静市静原町∧同区大原井出町
- 地図:Google Map
- 座標:35.11164,135.80927
- 標高:324m、路面:オンロード
- レビュアー:峠ノ太郎(CB1300SB)
- おすすめ度: 3
江文峠 Pickup Photo
標高が300m台のため峠らしい勾配やコーナーのある区間は無く、地勢上の存在感は極めて薄い。大きな石碑が無ければ通り過ぎてしまいそうです。
金比羅大権現の石碑と鳥居が、奥の山道の妖気性を高めています。この鳥居の奥はどうなっているのだろうと思っていたら、ハイカーの方がスタッスタッと暗闇に吸い込まれるように消えて行った。
朽ち具合が良いですね。道標のデザインは、都道府県によって特徴があります。注意して見ていると、「これ、○○○峠に有ったのと同じだ。」と分かるようになる。ちなみに、この中央にある道標は、旧花脊峠と同じデザイン。
見通しの良い峠のピーク(頂点)には、バス停が立つことが多い。
京都市街地から近いにも拘わらず熊が出没するようです。しかし交通量は比較的多く、京都一周トレイルにも指定されています。
金毘羅山・翠黛山・建札門院陵方向へ向かう登山口。
ここから3.8kmには歌でも有名な京都洛北随一の観光地、京都大原三千院がある。
江文峠の四方山話
- 峠の西方に旧道(東海自然歩道の一部)がある。
- 1174年(承安4)の日記「吉記」に記述されている。
- 【都道府県別・峠の一覧表】
≫ 京都府の峠、一覧表
編集後記
バス路線の上に峠がある場合には、峠名の付いたバス停をよく見ます。今回の江文峠もその一つですが、周囲を見渡しても民家などは無いのでハイカーの方が利用するのでしょうか。
今回の記事で悩んだのが、「立つ」と「建つ」の使い方の違いです。単なる構造物としてではなく、ひっそりと人が立つているような様子を表現するのは、やはり「立つ」かな。