土倉鉱山跡/廃墟観賞の本質にみる残酷さ

土倉鉱山跡

廃墟がブームらしい。
北陸自動車道を木之本インターで降り、やっと高速道路での小排気量バイク・セローの悲哀から解放された。国道303号に入り八草峠を目指して快走していると、右手に「土倉鉱山跡」の看板が目に入る。一旦は通り過ぎたが、今日は帰宅時間の心配が無いキャンプツーリング、時間はたっぷりあると引き返すことにした。

最近ブームの廃墟風景を期待して寄道をした。あっという間に到着し周囲を見渡すと、ハイカーらしき装いの初老の夫婦が一組だけ先客がいた。赤茶けた鉄筋がむき出しとなった土倉鉱山の姿を眺めていると、隆盛だった過去と荒廃した現在とのギャップに残酷さを感じる。時の流れは残酷とは言うけれど、目の前にそれが具現化して塊になっていた。

意外な感じもするが「パルテノン神殿」「原爆ドーム」も廃墟に分類される。歴史的建造物は、一様に廃墟とも言えるようだ。土倉鉱山は明治40年発見され主に銅を産出後、昭和40年に閉山されました。今では、鉱物収集家や廃墟マニアには有名スポットとなっています。

土倉鉱山跡・ツーリングスポットNO.9

  • 日付
  • 名称:土倉鉱山跡
  • 所在:滋賀県長浜市木之本町金居原
  • 座標:35.590636,136.300219
  • 路面:オフロード
  • レビュアー:峠ノ太郎(セロー250)
  • おすすめ度 4.5

土倉鉱山跡への行き方は、A点の看板から道なりに進むと到着します。分岐点の未舗装路にも看板があるので見落とさなければ迷わずに行けます。駐車場スペースは、十分にあります。

土倉鉱山跡の道路交通情報

[注意!]  記事投稿現在、八草峠への旧国道303号の滋賀県側ルートは、土砂崩れのために通行禁止となっています。八草峠には、八草トンネルを通過して岐阜県側からのルートになります。詳しくは、八草峠の記事をご覧ください。

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土倉鉱山跡 Pickup Photo

土倉鉱山跡の写真1
A点:国道303号を滋賀県から岐阜県へとバイクで走っていると、右手に『土倉鉱山跡』の看板が目に入った。

土倉鉱山跡の写真2
土倉鉱山跡へは道なりに走って行けば、途中に看板が出ているので迷うことはない。僅かに未舗装路があるが、オンロードバイクでも問題ない。

土倉鉱山跡の写真3
この土倉鉱山跡への道が旧国道303号であり、八草峠へ至る道となる。

土倉鉱山跡の写真3

土倉鉱山跡の写真4
木造建築物の廃墟の「朽ち果て感」と違いコンクリート建築物には、近代彫刻物へ「生まれ変わる感」があるようにも思えてくる。

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土倉鉱山跡の四方山話

この土倉の地名は、金居原や金糞岳とともに、地下の資源を意味する名である。採掘は本土倉から本格的な採掘が始められたとされるが、銅の鉱石は人や牛馬の背で運び出され、そのルートとなったのがこの八草峠であった。

参考文献:『近江の峠道 ‐その歴史と文化

編集後記

近い将来、日本は廃墟に溢れる国になってしまうのではないかと、ふと思った。産業の空洞化、少子高齢化に伴い、廃屋・空家が社会問題化している。廃墟が観賞の対象の内はいいけど、隣近所に廃墟がポッポッと出だしたら世も末だな。

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