紀見峠のような旧国道上の峠は、軍事・信仰・流通の重要拠点だった歴史を持つものが多くあります。この和泉山脈東端の紀見峠はどのような峠なのでしょうか。周囲には過去を物語るゆかりの品が幾つも残されています。

参考までに、これまでに訪ねた旧国道上の峠をピックアップしてみました。

• 水坂峠／旧国道303号（滋賀県）
• はらがたわ峠／旧国道173号（大阪府）
• 小野峠／旧国道307号（滋賀県）
• 八草峠／旧国道303号（滋賀県と岐阜県の県境）
• 天王峠／旧国道173号（大阪府）
• 石榑峠／旧国道421号（三重県と滋賀県の県境）

やはり、有名峠が並びます。ちなみに、この中で一番好きなのは、「はらがたわ峠」です。まるで世紀末のような、荒涼とした光景が印象的です。

紀見峠・調査NO.85

 

紀見峠の周辺地図

• T点：紀見峠
• A点：大阪府方面
• B点：和歌山県方面

紀見峠　Pickup Photo

T点：大阪府側から見た紀見峠。左手に進むと民家が並んでいた。旧国道ではあるが生活道路として現在も利用されているので、寂れた感じは全くない。

T点：和歌山県側から見た紀見峠。関西の交通の要所、高野街道のメイン峠の面影を、どことなく感じる。

T点：「国道371号時代の木柱標識」：紀見トンネルが1969年（昭和44年）3月に国道170号として開通後、1982年（昭和57年）4月1日に国道371号に指定替えされています。

T点：「高野山女人堂江六里」は、堺市の大小路橋から六里を示す。「番所跡」：和歌山藩は、高野山への参詣者で賑わう峠に番所を設置した。

T点：「岡潔生誕碑」：岡 潔（おか・きよし）は、数学者で稀代の大天才のようです。

紀見峠の位置図