寺坂峠で待っていたのは、美白の臼目地蔵さま。赤い提灯を両脇に携え、名の由来となる石臼の石台に鎮座していらっしゃる。当年とって、157歳。安政四年(1857)生まれ。峠道の遍歴にしたがって引越しを繰り返し、今の寺坂峠の地に落ち着いた。
一昔前の住まいは、地形図を見ると分かる。現寺坂峠の南にある破線路(徒歩道)、兵庫県道443号の旧道にいらっしゃった。それより昔には、寺坂峠を兵庫県と岡山県の県境とした時代もあった歴史ある峠だ。
臼目地蔵さまに、「次はどちらへ行かれるのですか?」と尋ねれば。「お前たちの事情次第ではないか!」と答えるだろう。157歳は、まだまだ若い。
寺坂峠・Pass Hunting NO.116
寺坂峠の周辺地図
- ▲点:寺坂峠
- A点:旧道、35.077853,134.413009
- B点:旧寺坂峠?、35.075755,134.409876
- C点:旧道、35.079363,134.408299
旧道に興味がある方用に、座標を記載しておきました。使い方は、「このブログの走り方」の「電子国土WEBの利用方法」をご覧ください。この電子地形図は、色々できて面白いですよ!
寺坂峠 Pickup Photo
上三河の交差点から見た山間に、寺坂峠がある。
▲点:佐用町側から見た寺坂峠。
▲点から佐用町側へ若干下った所に臼目地蔵さまが祀られており、その横手に「お休み堂」がある。
お休み堂とは、休憩所のことのようだ。
臼目地蔵さまと並んで、交通安全祈願の碑がある。
C点方向の佐用町側の方が、勾配は急になってる。
寺坂峠の四方山話
国境に位置した寺坂峠には番所が置かれていたが、明治になり廃止され「旅手形」なしで往来できるようになった。
[参考文献]『播磨の峠ものがたり』
寺坂峠の位置図
- 【寺坂峠へのツーリングルート】
≫ ソロキャンプツーリング、兵庫県と鳥取県の11峠越え - 【都道府県別・峠の一覧表】
≫ 兵庫県の峠、一覧表
編集後記
峠にお地蔵さまが祀られていると、ホッとします。人の情、土地への愛着、他人を思う気持ち。そんな日本人の誰もが心内に持っていた「美しい日本」、それが凝縮して具現化された姿のように感じるから。
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