多くの都道府県道上の峠と同じように、箱部峠も勾配が緩やかで絵的にも華やかさが無い。峠を訪ねた時の心情を書き留めることを趣旨にする、このブログ泣かせの峠だ。前回投稿した三春峠の九十九折れた峠道は、府県道として異例であり逆に不可思議さを感じるほどだ。
そんな箱部峠にも、特色が一つある。それは、この箱部峠が国境の峠から外れていることだ。兵庫県と京都府の府県境ラインは、箱部峠の北側に僅か500mしか離れていない。西方の三春峠・野瀬峠と東方の三郡峠・弓谷峠・板坂峠は、府県境の延長線上にキチンと位置している。その理由は分からないが、目指す峠ではなく通過する峠であることは間違いない。
箱部峠・調査NO.94
箱部峠の周辺地図
箱部峠 Pickup Photo
箱部峠の北方約300mの位置にある地蔵さま。ここから勾配が少し急になってくる。
T点:北側から見た画像。カーブらしき曲線は、2ヶ所しかない。
T点:南側から見た画像。箱部峠は、切り通した峠になっていた。
京都府側の国境には、趣のある里山の風景が見られる。
箱部峠の四方山話
手元にあるツーリングマップル(2011年4版1刷発行)に記載されている箱部峠の位置は、野瀬峠と記すのが正しい。本来の箱部峠の位置には、何も記載されていません。こういう間違えを見つけるのも、楽しみの一つかもしれませんが、峠の位置については国土交通省国土地理院の電子地形図の方が信頼性か高い。
箱部峠の位置図
- 【箱部峠へのツーリングルート】
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編集後記
最近、峠と街道の関係についてもっと知りたくて、図書館で借りた本を読み漁っています。今のところ、その関係性を短い文章で表現すると。
『峠は点でありその点を通過し人や物が往来する街道は線である。主は街道であり峠は従となる。街道は点である峠を結ぶものではない。峠は線上に仕方なくある障害物でしかない。だから近年、峠がトンネルなどにより消えゆく理由は昔も今も変わらない。』