新小屋峠/大山・蒜山で問う峠ハンターの力量とは

新小屋峠

「手ごわい」。こいつは、峠ハンターとしての力量を問う、難しい峠だと直感した。バイクを降り、新小屋峠の周囲を徘徊してみる。時折り通り過ぎる車やバイクから、「こんな所で何をしているんだろうか?」というような視線を感じながら。

ハハ・ハ!君達には見えないものが、私には見えているのだよ。分からないだろうな。君らには、・・・。道端の雑草や蟻ん子を眺めているのではない。もちろん、暑さで頭がいかれているのでもない。何をしているのか?もちろん、「峠を味わっているのだよ!」

新小屋峠・調査NO.110

  • 調査
  • 峠名新小屋峠(しんごやとうげ)
  • 路線:鳥取県道45号(倉吉江府溝口線)・大山環状道路
  • 所在:鳥取県倉吉市関金町野添Λ日野郡江府町大字御机
  • 地図電子地形図位置図
  • 座標:35.351605,133.586583
  • 標高:998m、路面:オンロード
  • レビュアー峠ノ太郎(CB1300SB)
  • おすすめ度 3

鳥取県大山をグルッと一周する大山環状道路のツーリングも、ここ新小屋峠を越えると旧蒜山大山スカイラインに入り見返峠を越え最後となる。

b5

新小屋峠の周辺地図

  • T点:新小屋峠
  • A点:蒜山大山スカイライン
  • B点:大山環状道路
  • C点:烏ヶ山
  • D点:象山(笹ヶ峰)

峠ハンターの力量は、「妄想の翼」をどれだけ大きく広げられるかで決まる。例えば、峠というスクリーンに、駆け抜けてゆく武将の後ろ姿や重い荷車を曳く牛馬の姿を、CG合成して映し出せる具現化能力の強さだ。(実は、何も無い峠に困っているだけですが・・・。)

新小屋峠 Pickup Photo

江府町方向の新小屋峠
江府町方向:新小屋峠に立つと、ここが標高が900mを越える高所だとは感じられない。その理由は、道路勾配率にありそうだ。そこで上記の周辺地図のB点から新小屋峠のT点までの道路勾配率を計算してみた。

道路勾配率[%]=100×垂直距離[m]/水平距離[m]に、電子地形図から取得した数値を当てはめると、100×97m/1,600m=6.06%となる。

この約6%は、山間部の道が10%で急勾配の注意標識が立つことを考えると、ちょっときつい坂道程度。標高が高いが道路勾配率は低い。これが高原の峠の特徴なのだろう。

倉吉市方向の新小屋峠
倉吉市方向:電子地形図を見ると左手には、D点に象山(笹ヶ峰)標高1,085mがあり、峠道はその山腹をトラバース(水平方向に横断)していることが分かる。

新小屋峠の路面T点:峠ハンターは、峠で隔てられた行政区の境界線上の地表面を必ず確認する。この写真の左右のアスファルトの表面にも若干の違いがある。

もう少し分かりやすい例の峠を紹介すると、京都府と福井県の府県境にある「おにゅう峠」は、アスファルト敷きとダートに国境で明確に分かれている。

  おにゅう峠/滋賀県と福井県を繋ぐ絶景林道ツーリング

烏ヶ山(からすがせん)
草に埋もれそうな看板も、貴重な資料なので見逃してはいけない。これが山陰のマッターホルンと呼ばれているC点の烏ヶ山(からすがせん)、標高1,448mへの登山道が新小屋峠を横断している証拠になる。

烏ヶ山への登山禁止看板C点の烏ヶ山への登山禁止看板の横手には、階段状の登山道入り口がある。この様子から新小屋峠は、烏ヶ山の尾根へと越える峠とも言える。

新小屋峠の標識
T点:この標識は、場所の表示が嬉しいポイント。平成の大合併によって市町村の合併・編入が盛んに行われたために、このように所在地名が明確になると助かる。

象山へ至る道こちらはD点の象山へ至る、消えかけの踏み跡が見られる。これらのことから新小屋峠は、一本道ではなく四辻だと分かる。以上、新小屋峠の峠ハントでした。

新小屋峠の四方山話

峠名に「新」の文字が付いていることから旧峠が存在するのかもしれませんが、所在は不明です。もしかしたら、古くからある峠ではない可能性も考えられます。

新小屋峠の位置図

編集後記

週刊少年ジャンプ愛読世代の私は、冨樫義博のHUNTER×HUNTER、荒木飛呂彦のジョジョ、岸本斉史のNARUTO、諫山創の進撃の巨人・・・。そんな漫画が大好きな峠ハンターです。

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